新築の何もない土だけの毎度おなじみの殺風景なお庭でした
最近の住宅事情なのか庭の狭いと言うか、木を植えることが
設計にない、駐車場の広くて敷地の真ん中に家が建ててある
建売物件なのです、売りは広い駐車スペースなのでしょう
角地の通りに面した目立つ場所なのになぜ?
見せ方と植木を絶対植えてやろうと情熱的にアプローチしました。
お客様は暮らしの中で気ずいていました、家と庭の持つ意味を
最初の提案は、低予算の庭に出ても靴が汚れない程度のものでした
ただそれだけでは本当に庭に出るのか、もしくは出る必要がなくなるのでは
庭をきれいに維持するのには、お客様のこだわりが必要です。
通りに面した窓、しかもリビングなのです、
こんな家を造った不動産屋やら工務店は、きっとこう言うだろう
カーテンをすればいいじゃないか、
春の温かい日差しを受けて昼寝することも人目をきにしながら、
なんて持家の意味がない
目隠しのフェンスは、間隔が狭くて日差しを遮る、植木を植えると
通り難くなる、はたしてどうしたものか、当初図面では和室の前に
ポーチの階段で庭に降りる予定でした、ただ蹴上の問題で3段になります
一番広いところで2.3mです、花壇とポーチで一番広い場所が狭くなり子供が
庭で遊べないなどの理由で取りやめに、ただ庭に降りるものがないのは
ぼくの理念にはなく、家族が集まるリビングから降りていただいて、
植木に触れてくださいと提案、しかもなんと目隠しの役目としても
使えるのです、ブロックまで上げる事によって少しだけでもスペースを広げ
鉢物をフェンス際に置けば人が通れて日差しが差し込み癒しの空間です
目立つ物件、狭い庭、目隠しの植木、低予算
いろんな物語が一住宅にはあります、ぼくらは一家族を見つめ
その都度一緒に考えながら物造りをして行きます
昔の職人がそうだったように魂の物造りを時代に流されながらでも
小規模な仕事でも、何とかやって行きたいだけです、
伝えて行きたいだけです。
植木は成長して家は古く味わいが出て暮らし支えて
有意義に時間が過ぎて行けば、それだけで家族は繋がり
歴史が生まれる、庭と家の意味をお客様は知っている
そこに家族があり、暮らしがあるから。